投資

なぜソーシャルレンディングは不祥事が多かったか?投資家は注意しないといけないこと

今回は2019年頃に金融の業界をちょこっと賑わせた
ソーシャルレンディングの不祥事について取り上げます。

実際にソーシャルレンディングをやったことない人でも、
そこそこニュースになってましたし結構している人は多いのではないでしょうか?

ソーシャルレンディングは新しい融資、投資の仕組みとして注目されていましたが、
度重なる不祥事で信用は無くなり、トータルで何十億円という投資金を回収できずにいる結構ヤバい事件です。

今回はそんな事件を例にしながら投資家ならどのような投資をすべきかを再確認していきます。

投資の注意点

ソーシャルレンディングとは

ソーシャルレンディング(Social Lending)は、企業や、個人が資金を借りる際、
銀行や株式市場を介さず投資家から借りれる金融の形態の一つです。

取引先や知人でもない限り、
ビジネス資金を集めるお金の貸し借りに銀行、株式会社などの金融機関を通す必要があり、
どちらも資金募集までに準備と費用が必要になる仕組みでした。

しかし、ソーシャルレンディングの場合、ソーシャルレンディング会社とう専用の会社を介して投資家を募集する仕組みであり、
投資家、借主の企業側にも様々なメリットがありました。

中間手数料の削減

まず銀行などの伝統的な金融機関を介さないため、手数料や中間業者のコストが削減されます。

実際に多くのソーシャルレンディング会社はソーシャルレンディング事業に特化した会社のためかなりのコストダウンが出来たと考えられます。

利子率の競争

またコストが削減されたことにより、
銀行や上場株式などよりも高い金利を実現できました。

物にもよりますが確か4%~8%ほどの利回りがありました。

そのため、投資家からの資金調達が容易でした。

実際にソーシャルレンディングが流行った2020年代は申し込み日にはサーバーが落ちかけるほどにアクセスがあり、
投資家が小競り合いをしていたのを鮮明に覚えています。

このような新しい仕組みからソーシャルレンディングは個人投資家に注目されてきましたが、
2019年頃より不祥事が続き、ソーシャルレンディングそのものの信用度が失墜しました。

ソーシャルレンディングで起きた有名な不祥事

さて、では具体的にソーシャルレンディングではどんな不祥事が起きたのかを確認しましょう。

①maneo(マネオ)

maneoは日本で初めてソーシャルレンディングで行った業界では老舗中の老舗です。

規模としても業界最大手としてこれからのソーシャルレンディング業界を席巻していくはずでしたが、

2018年頃より、

  1. 虚偽の説明による融資の募集
  2. 分配金の延滞
  3. 別事業への不正なお金の送金

などが発覚した。

特に分配金などの延滞はなんと約300億円にもなり、
maneoだけでなくソーシャルレンディング事態の信用問題の低下になった。

1. maneoマーケット株式会社(本店:東京都千代田区、法人番号5010401091384、第二種金融商品取引業)(以下「当社」という。)に対する検査の結果、以下の問題が認められたことから、証券取引等監視委員会より行政処分を求める勧告が行われた。(平成30年7月6日付)
(中略)

甲社が、入金されたファンド資金をウェブサイト上で表示した出資対象事業に支出しているか検証したところ、出資対象事業と異なる事業等へ支出している事例が多数認められた。

引用元:maneoマーケット株式会社に対する行政処分について

②みんなのクレジット

未だに問題が長引いているという点では株式会社みんなのクレジットによる不祥事がすごいだろう。

Maneoと同様にソーシャルレンディング事業を行っていた会社であり、
金利が14%を超えるという普通の投資家なら興奮よりも恐怖が勝つような案件を扱っていましたが、
こちらも発足からわずか2年で行政処分からの事業停止になってます。

この事件のすごいところはなんといっても値段でしょう。

発足からわずか一年で40億円もの資金が集まり、そのほとんどがグループ会社に流れて今現在も投資家に返金されていないのです。

しかも当時の社長である白石伸生氏はその後2023年に仮想通貨詐欺により逮捕されているのでもう回収は絶望的と言っていいかもしれませんね。

③SBIソーシャルレンディング

SBI証券、住信SBIネット銀行をはじめとしたSBIグループも実はソーシャルレンディングをしていました。

しかし、そんな金融大手も2021年に集めた資金の不正流用が発覚し行政処分を受けました。

SBIソーシャルレンディング株式会社(本店:東京都港区、法人番号5010401073969、第二種金融商品取引業)(以下「当社」という。)は、当社ウェブサイトを通じて、自らを営業者とする匿名組合(以下「ファンド」という。)の出資持分の取得勧誘を行い、その出資金により貸付事業を行っている。なお、令和3年4月末現在、償還期限が到来していないファンドは、64本、出資金約470億4100万円である。

引用元:SBIソーシャルレンディング株式会社に対する行政処分について

しかし、そこはSBIグループ
行政処分を受けてすぐに出資金の全部返済を始め、ソーシャルレンディング事業自体を同年に廃業しました。

やっぱ大手だと不祥事はあれどアフターケアもしっかりしてますね。

なぜソーシャルレンディングは不祥事が多かった?

さて、ソーシャルレンディング自体は日本では2008年からあり、
2019年頃に一気に注目されてその数年間で不祥事が多発し、一気に廃れたような印象です。

ではなぜここまで不祥事が多かったのでしょうか?

仕組みが新しかった

まずソーシャルレンディングが金融の中でかなり新しい仕組みという点があります。

ビジネスへの資金調達としては銀行融資、株式会社が有名だが、

世界で一番古い銀行
1668年設立 スウェーデンリクスバンク

世界で一番古い株式会社
1602年設立 オランダ東インド会社

などどちらも人類の近代、現代の根幹をなすような仕組みです。

そのため、しっかりとした制度、モラルが存在し、少なくとも現代では不正が起きづらいです。

しかし、ソーシャルレンディングはその点わずか20年もありません。

そのため、金融庁など国の監視制度も甘く、
ソーシャルレンディング事業会社が不正に手を出しやすかったのでしょう。

投資先の匿名性

また、投資家はソーシャルレンディングで投資する場合、
投資先の企業や事業を知ることが出来ない匿名性が問題を助長しているだろう。

基本的に資産の融資では融資先の企業、売上などのデータなどすべてが開示されるべきです。

だって、もしかしたら存在しない会社かもしれませんからね。

しかし、ソーシャルレンディングにおいては大まかな事業内容が提示されるだけで
具体的な事業プランなどはほどんと開示されてなかったのがほとんどです。

そのため、投資家は高い金利に引き寄せられながら窓口のソーシャルレンディング事業会社を信じて投資していました。

投資家が熱を持ちすぎた

また2019年頃というのに流行ったのもいけなかったのかもしれません。

当時はコロナによる自粛、景気悪化もあり株価など多くの投資は軒並み暴落してました。

そんな中、

株式よりも高利回り
分かりやすい仕組みで始めやすい
なにより他の投資家もやっている

などソーシャルレンディングへの若い投資家への期待が必要以上に大きくなったのかもしれません。

よくよく考えれば

投資先の事業内容もまともにわからない
設立して10年経ってもいないサービス、会社ばかり
メガバンクなどの名前を冠した会社が少ない

このような状況でどんどん投資するのは普通に考えたらあり得ませんよね。

投資家はどういう投資をすべき?

さて、ソーシャルレンディング事業を取り巻く不祥事を実際に見て、
なぜこのようなことが起きたのかを見てきました。

ソーシャルレンディング特有の問題もあるでしょうが、同じ投資である以上、
株式投資、不動産、FXでも同様なことは起こるでしょう。

では我々投資家はソーシャルレンディングの不祥事から何を学ぶべきでしょうか?

投資先、投資情報が信用できるか

まず投資先を選ぶ際、信頼できる情報源からの情報が不可欠です。

過去の実績はあるのか、投資先は信用できる情報は開示しているのか、
市場動向などを綿密に分析し、客観的なデータに基づいて判断を下すことが肝要です。

例え利回り14%などを謳っても投資金が全部帰ってこないならそれはただのギャンブルになります。

投資金額はリスクに見合っているか

途中でも話した通り、別にソーシャルレンディングという仕組み自体は別にいいと思います。

ただ、ソーシャルレンディングの運営会社の実績や、規模そして、投資先事業が信用できないリスクが高いのにお金を突っ込みすぎていないかが大事です。

今回の場合、例えばソーシャルレンディングへの投資は自分の資産の1%程度にする。

などリスクに併せた投資金額にしておけば最低限の損失で済みました。

また、ソーシャルレンディングの運営会社もせめてSBIグループのような大手のにしておけば返金もしっかりされたでしょう。

そのため、どんな投資であれ

投資先のリスク
もしものときに失ってもいい資金のリスク許容度

をしっかりと把握して投資をしなければなりません。

金利高い、お得 = 全力で投資をする

ではただのギャンブラーですよ。

そもそもなぜ投資をするのか

またこれが結構忘れがちなのですが、自分がなぜ投資をするのかをしっかり意識しましょう。

例えば、老後資金に向けた確実な資産形成なら
ソーシャルレンディングなんて怪しいものには手を出さず王道のインデックス投資をすべきです。

インデックス投資は確かに時間がかかってしまいますが、資産形成はまず確実に行えます。

また、仮に短期的に資産を増やしたいなら個人的には、株式投資、FXの方が絶対に良いです。

ソーシャルレンディングは確かに入金してしまえばその後何もする必要がありませんが、
利回りが8%程度で投資先が詳しくはわからないっていうのは正直リスクバランスが全く成り立っていません。

株式投資、FXは確かに知識など必要ですが、利回りは固定ではないですし、
株価が好調なら、数倍に跳ね上がるような可能性すらあります。

しかし、ソーシャルレンディングはどんなに景気が良くても固定利回りです。

そのため、短期的に稼ぐという投資目的としても割に合わないのです。

まとめ リスクをしっかり把握することがこそ、投資の基礎

さて今回は2019年頃に多発したソーシャルレンディングの不祥事から投資する上で必要なことを解説していきました。

ソーシャルレンディングは個人、企業が銀行などより手軽に資金調達できる手段として注目されましたが、
運営会社の不祥事から、今ではよっぽどマニアックな人かこの不祥事を知らない人しかやってない金融サービスになってしまいました。

新しい金融サービスが定着しなかったことは確かに残念ですが、
投資をする上で一番大事なリスクを把握しきれなかった投資家が多かったのが原因ですし、
まあ仕方のないことですね、、、

今後のこのような新しい金融サービスは出てくると思いますが、< span class="red-txt">高利回りな餌に惹かれずリスクをしっかりと把握して投資をしていきましょう。

このページを最後まで読んでくださってありがとうございます。
よろしければ、他にも色々と考察しているので読んでみてください。

タグ:

この記事をシェア!